地域活性学会の研究論文集「地域活性研究」Vol.22に当グループから提出した実務研究論文が採択・掲載されました。
●地域文化とファッションの融合:牛首紬を用いたボディバッグデザインの有効性に関する研究
呉 星辰(金沢星稜大学)村本 睦子(北陸先端科学技術大学院大学)
阿部 和美(ディーラボ白山)由田 徹(ディーラボ白山)
論文要旨▼
本研究は、石川県白山市の地域資源である牛首紬の普及を目的に、着物以外の産出としてのボディバッグに着目し、 消費者の潜在ニーズの感性的な視点を探るためのデザインを行った。感性評価手法として写真評価共感法を用い、消費者の 曖昧な感覚を具体的なデザイン要素に変換することで、牛首紬の現代的な活用方法を模索した。分析の結果、バッグAとB は日常使いに適した実用的なデザインとして高評価を得たが、バッグCとDは視覚的な魅力や親しみやすさの面で改良の 余地があることが示された。これにより、地域資源として牛首紬を普及させるには、実用性と感性的な訴求力を兼ね備えた デザインが求められることがわかった。さらに、写真評価共感法は消費者ニーズの感性的な視点のデザイン意図を的確に捉 える上で有効な手法であり、地域文化とファッションの融合を図るような感性を重要とするデザインを今後も進めていく意 義を確認できた。